推しをめでる

さいこうのおんなをめでる

違うよとノイズ混じりに叱られた

鹿児島公演の弾き語りのとき

お手洗いへ行かれた方がなかなか戻らず

 

他の曲を歌おうかな、となった時に

その日の相方さんに

 

ラジオ! と叫んでもらった

 

どうしても、生歌で聴いてみたい。

 

 

あとすこしのところで

待っていた方が戻られて

聴くことは出来ず

まあ、もともと予定にないことなので

 

 

あー、ざんねん!

 

 

ということで諦めました。

 

 

 

 

私は「ラジオ」という曲がとても好きです。

 

私は5人家族で

3人きょうだいの一番下で

 

「夜は家に子どもだけしかいない」

 

の生活

 

 

親が焼鳥屋をしていたので

きょうだいだけで留守番する毎日

 

 

夕方、母が店に行く時

駄々をこねてベソをかいたあと

ごはんを食べて

兄と二人でテレビを観て、遊んだ

 

姉は少し歳が離れていて

部屋も別だった

 

寝る時間になると

兄がラジオをつけてくれて

タモリ とか コサキン とか

有名どころの番組を聴いていました。

 

耳を澄ませて、笑って

いろんな曲を聴いた

その時間は本当に心が満たされて

とっても大好きな時間で

 

ラジオつけて! と兄にせがんだ

 

大きくなると、兄がひとり部屋になって

姉が同じ部屋に来た

 

 

姉は出かけてばかりで居ない

 

ひとりで寝ることが増えたので

なんとなく毎晩ラジオをつけて

大人の言っていることはよくわからないけど

誰かの声がするのは、ホッとします。

 

 

具合が悪い日や

クラスでいじめにあっている時期

楽しい行事があった日

仕事がうまくいかなかった日

誰かに振られた日

飲んで帰ってふわふわしている日

なんとなくさみしい日

 

いつも変わらない調子で

音楽かラジオがいつも

裏切らずに流れていてくれました

 

 

誰かに裏切られても

音楽は裏切らない

ラジオは裏切らない

 

 

ラジオの音を聴きたくて

帰宅してすぐごはんやお風呂を済ませ

布団に潜り込む時期もあったほど

いろんな番組を楽しみにしていたけれど

もう、色々忘れてしまいました(笑)

 

 

メールもFAXもなくて

ハガキで番組と繋がる時代

時々プレゼントの応募はしたかもしれない

でも、まさか読まれるはずがないので

ほとんど聴いているだけ

それでも楽しかった

 

 

「ラジオ」のサビを聴くと

その頃の自分が私の中にかえってきて

 

歳はとったし取り巻くものも変わったけど

心の中は

今もそんなに変わらないよね、と

声をかけたくなるような気持ちがします

 

 

この曲を作られた方

この曲を好きな方

わたしとおなじだったら、心強いなあ。

 

  

小さい頃はこの世界に

生きてるのはあたしだけなのかもと

不安になった時に必ず

違うよとノイズ混じりに叱られた

不安になった時に必ず

違うよとノイズ混じりに叱られた